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薬剤師の資格をいかし、多彩なフィールドで輝く自分をイメージできる入門的授業

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【薬と社会の探訪/薬学部1年生対象】
薬学部 教授 阿部 真治 (あべ しんじ)

グループディスカッションや薬剤に触れる体験を通じて薬剤師としての視点を養う

薬学部の1年生を対象に行われている「薬と社会の探訪」では、これまで製薬企業や病院、県庁などへの見学を通して薬剤師が活躍する幅広いフィールドを体験してきましたが、見学に行っただけでは分からない、薬剤師という仕事について、より深く知るための新たなプログラムが加わりました。

 

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そのひとつが創薬研究を行う教員が中心となって実施する「創薬実践ミニ道場」。今ある疾患に対してどういうアプローチをし、新しい薬を作っていくかを少人数でディスカッションしながら考え、最後に全体発表を行います。

「3年次に研究者を志す『創製薬科学研究者育成コース』か『先導的薬剤師育成コース』を選択するのですが、『創薬実践ミニ道場』は『創製薬科学研究者育成コース』で行う研究志向のディスカッショ ンを早期に体験するもの。柔軟に考え、自身のアイデアが新しい発見や新しいエリアの開拓に繋がることを実感してもらうのが狙いです」という阿部先生。この授業を通じて研究のおもしろさ、楽しさを感じ、研究職への興味関心を醸成することにもつながっています。

もうひとつ、特筆すべきが「臨床現場で用いられる医薬品開発の工夫について」。佐藤先生が担当する授業で、医療現場で実際に使われている薬や器具などを手にし、 薬剤師と製薬企業の両方の視点からそれぞれの特徴を考えます。「例えば喘息の吸入薬。いろいろなデバイス(吸入器)があるのですが、なぜ様々な種類があるのかを現物に触れながら考えます。点滴製剤も化学変化や使用上の事故などを防ぐために様々な工夫がされているのですが、製薬企業側と薬剤師の両方の視点で物事を考え、 スモールグループでディスカッションしながら、学習の向上を図ります」。

 

 

 

 

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薬やデバイスの機能や形状、使い勝手などを細かく見ていくと
1、2年生で学ぶ有機化学や物理化学、生物化学の基礎知識が様々な薬の工夫にいきていることがわかるといいます。

「将来、どうなりたいか?」目標を定めることで学習に集中できる

1年生を対象にこうした授業が行われることになった背景には、「薬剤師になりたい」、「研究者になりたい」という夢を抱いて入学した学生の多くが、薬剤師なら薬の調剤だけ、研究者志望の場合は製薬企業に入って、試験管を振るような研究をするだけ???と考えがちで、多彩な選択肢があることに気付いていない現状にあるといいます。

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阿部先生は「薬学部の卒業後の進路は意外と幅広い。
県庁の薬務課で公務員として働く人もいれば、製薬企業の研究者として働く人もいます。
社会へ出るといろんなエリアがあり、それぞれのエリアの中にさらにたくさん、自分の実力を発揮できる分野があります」と語りかけます。

授業のはじめ、学生たちは「将来どうなりたいか」をテーマにレポートを書くそうですが、当初はぼんやりとしたイメージしか持っていなくても、授業を通して薬剤師の視点で具体的に考える中で、自然と将来に意識が向くようになるといいます。

本学の薬学部が目指すのは、問題を発見し、自分で解決できる人材の育成です。
1年生、2年生の早い時点から将来を見据え、どうなりたいかを意識することで学習にも身が入ります。
この先、『何のために勉強するんだろう?』、『何のために研究するんだろう?』と迷うことがあっても、目指すゴールや目標が定まっていれば、原点に立ち返って考え直すこともできます。

いろんな人の話を聞き、他の授業を受ける中で、『やっぱり研究をやってみたい』、『地域に貢献したい』と、自身の進む道について思いを強くする学生もいます。

この授業を通して『将来、こんなにたくさん働く場所や、自分の生きる場所がある』ことに気付き、6年間で自分の可能性を探してほしいと思います」。

 

 

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先生たちからの一言メッセージ

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(写真左から)山本高成先生、川田敬先生、阿部先生、佐藤智恵美先生。

山本高成先生

社会の中での薬剤師の役割に気づき、 早くから自分の将来を考えるために役立ててほしい。

川田敬先生

臨床現場では問題を見つけて解決する能力がますます重要視されています。それを疑似的に体験できる授業です。この体験を将来の選択にいかしてほしい。

佐藤智恵美先生

薬学部は学習項目が多くて勉強も大変ですが、今学んでいることが社会でどのように役立っているかを知り、ワクワクしながら学生生活を送ってほしいです。

 

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