【生物資源経済学Ⅱ 対象:生物資源産業学部2年生】
生物資源産業学部 講師 橋本 直史(はしもと なおし)
生物資源産業学部の講義のほとんどが理系ですが、その中でも珍しい文系の授業。多様な考え方のある経済学を、大きく3つの観点から学んでいきます。
授業の前半は市場経済の長所と短所を、中盤は資本主義の問題点について、後半は人間関係や協働によって支えられる生物資源?地域経済をテーマに、「自分たちの暮らしを経済という視点から見ると???」と、自ら考える力を養うのが目的です。
取材に伺ったのは中盤、第7回「資本主義経済論 ①」。中世は封建制度の下、農業中心の経済が展開されていましたが、産業革命により工業化が進展すると、工場で働く労働者が多数存在する経済構造へと転換。農村から都市へと人が流れ、お金のため、仕事のために働くようになり、「商品の価値」では商品自体の有用性と、それを生み出すまでの手間とコストが加わるようになった仕組みと歴史について学びました。
受講生は86人。うち35人が必須科目ですが、その他の学生は自由選択です。多くの受講生がこの授業を選択しているのは、橋本先生がテストに出題される部分も明確に示し、専門用語も学生にとってわかりやすい言葉を選んで、説明される点にあります。
経済学の理論的な基礎部分を押さえつつ、今話題のトピックやニュー ス、雑学的な話も交えた授業は、日頃から経済に関心を持つことの面白さに気づかせてくれます。
「経済は生活のすべてと関わっているもの。大学で習ったことと、自分の暮らしは別、という境界はない。少しでもそう意識してもらえるよう、興味を持ってもらえる ように工夫しています」と話す橋本先生。
経済学は様々な視点とアプローチを持つ学問分野で、多数の理論や方法論があるのが特長です。「専門用語を一生覚えている必要はないですが、このメガネをかけたら こんな風に見える。違うメガネだとまた違って見える。見え方が変わると世界が違って見えるという、経済学のエッセンスは身につけてもらいたい。それは将来、きっ と役に立つと思います」。
各自が専門的な研究へと進む中で、経済学で身につけた多様な視点がヒントとなる日がくるかもしれません。
橋本先生は食品流通に関する授業も担当しているため、関連授業として選択している学生もいるそう。
この日、配布されたプリントには哲学者内山節さんの新聞コラムが載っていて、「誇りを持って働き、誇りをもって生きる世界」を目指し、
「地域づくりに関わる仕事がしたいと考える人」が増加傾向にあると紹介されていました。
後半のテーマ「地域経済」の序文的な内容であるとともに、学生たちが将来を考える際のヒントにもなる話で、
こうしたコラム一つからも経済学への興味を誘発する工夫が感じられます。