L-11:高分子を非接触?非侵襲的に皮内に浸透させる技術

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徳島大学シーズ<L-11>:ライフサイエンス、医療機器 sdgs-03
 

高分子を非接触?非侵襲的に皮内に浸透させる技術
― 電気風呂による薬剤?美容成分の広範な皮膚浸透技術 ―

小暮 健太朗 教授 大学院医歯薬学研究部 薬学域 薬科学部門 創薬科学系 衛生薬学
キーワード 微弱電流、電気風呂、皮内浸透、皮膚疾患治療、皮膚美容
研究室URL /ph/faculty/labo/esi/
研究の概要
<皮膚疾患治療および皮膚美容のために非侵襲的な皮内浸透技術が期待されている>
 乾癬(国内患者数約40~60万人)やアトピー性皮膚炎(国内患者数約125万人)などの皮膚疾患の根本治療のためには、特異性の高い核酸医薬やヒアルロン酸などの保湿成分を皮内に浸透させる必要がある。また、皮膚のシワやハリ改善のためにもヒアルロン酸などの美容保湿成分の皮内浸透が必要とされている。しかし、皮膚は角質層によって物質の浸透が妨げられており、これら高分子物質の安全で効率的な皮内浸透技術が求められている。

<技術課題:広範な皮膚への高分子物質の浸透技術の開発、解決方法:微弱電流を用いる電気風呂>
 微弱電流(0.3~0.5 mA/cm2)を用いる皮内薬物送達技術イオントフォレシス(図1)が注目されている。しかし、従来のイオントフォレシスは、物質の浸透が貼付した電極下に限定され、広範な皮膚への物質浸透は不可能であった。そこで、電解質溶液を満たした水槽の壁に電極を設置し(電気風呂)、高分子物質を含むハイドロゲルを皮膚に塗布して電気風呂に浸し、電流を流すことで非侵襲的かつ非接触で高分子物質を広範な皮膚に浸透させる技術を開発した。
 
想定される用途と製品化?事業化イメージ

<電気風呂を用いた高分子医薬?美容成分の皮内浸透による皮膚疾患治療?皮膚美容>
 マウスを用いた検討により、蛍光標識したデキストラン(分子量1万)およびヒアルロン酸(分子量2~3万)の電気風呂による皮内浸透に成功している(図2)。皮膚疾患治療は、NK-kBデコイオリゴDNAなどを含む溶液中に首から下の全身を浸した状態での微弱電流処理により達成できる。皮膚美容では、四肢(主に手)を水槽に浸して微弱電流処理を行うことでヒアルロン酸など美容成分を皮内に浸透させ、皮膚機能の改善を図ることができる。

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図1.イオントフォレシス
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図2.電気風呂による蛍光標識ヒアルロン酸の皮内浸透
特許 特願2023-002384 皮膚通電用組成物及びその利用

 

お問合せ先

徳島大学 研究支援?産官学連携センター
TEL:088-656-7592
E-mail:rac-info@tokushima-u.ac.jp

 

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