徳島大学?高知大学?香川大学との共同開催
(SPOD開放プログラム)「授業について考えるランチセミナー」<合理的配慮が必要な学生への支援が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

■ 開催日時

第1回: 4月10日(木)12:05~12:50
第2回: 4月17日(木)12:05~12:50

■ コーディネーター?講師?登壇者
  コーディネーター: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
  第1回:   司会?講師: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
  第2回:   司会:      飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
  登壇者:   井ノ崎 敦子(徳島大学キャンパスライフ健康支援センター)
      大沼 泰枝(香川大学学生支援センター)

■ 参加者数

 第1回: 80名
 第2回: 79名

■ 内容

 今月のセミナーでは、教員の視点から合理的配慮について考えることを目的に、実際に教員が現場で合理的配慮に関して経験した事例を共有し、専門家からアドバイスを受けるという形をとった。

 第1回:   第1回では、まず「合理的配慮」をめぐる基本的な内容について説明がなされた。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」にもとづき、
        澳门皇冠赌场_澳门皇冠体育6年4月以降大学?短大?高専では「その実施に伴う負担が過重でない範囲で」障害を持つ学生から意思が示された場合合理的配慮が必要とな
        ったことが説明されたあと、『障害のある学生の修学支援に関する検討会報告第三次まとめ』(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/123/mext_01732.html
  を引用しながら障害を持つ学生のうち半数が精神障害?発達障害で占められており、これらの学生に対する対応が重要となっていることが強調された。そのような学生に対する
  合理的配慮について、組織的な環境整備や連携の必要性、あるいは四国大学が公開しているハンドブック(https://www2.shikoku-u.ac.jp/jimu/shien/hairyo/data/guidebook2021_modified2024_3.pdf
  に記載されている例を引用しつつどのような方法があるかについて紹介が行われた。
     しかしながら、現場の教員からは合理的配慮に際して、様々な課題があると考えられる。そのため、第2回でアドバイスを得ることを目的に、今回は参加者から合理的配慮において
  経験し事例を共有することとした。講師の経験談を交えつつ、参加者は匿名でコメントを投稿できるsli.do(https://www.slido.com/)からそれぞれの経験や事例について投稿が行われた。

 第2回:  第2回ではまず第1回で投稿された事例が紹介された。その後、紹介された事例の中うちいくつかについて、実際に学生への対応を行う専門部署の教員である
  井ノ崎 敦子 先生(徳島大学キャンパスライフ健康支援センター)ならびに大沼 泰枝 先生(香川大学学生支援センター)からアドバイスがなされた。
  アドバイスがなされた事例としては、「課題提出をもって出席とする」ことへの注意点、「アクティブラーニングが必要な授業における代替措置」「配慮要請が来ていないが、
  合理的配慮が必要であるように見える学生への対応」「合理的配慮における『過剰な負担』の線引き」といったものがあった。いずれも大学の規模や環境、学部のカリキュラムや授業内容、
  さらには学生個人の抱える困難等によって大きく対応方法が分かれるものであるが、その中でも概ね共通する事項として、大学や学部が判断基準や方針をしっかり定めること、教員は授業の
  目的や意義に立ち戻ってどのような対応が適当か検討すること、また教員や支援担当部署が当該学生との意見交換を重ね、合理的配慮に関する共通理解を得ることが重要であることが示された。

■ 成果と課題

 参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともにほとんどの回答者から肯定的な回答
(「とても当てはまる」 「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、他の設問においてもおおむね肯定的な回答が得られた。

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果

 

第1回(4月10日)

第2回(4月17日)

とても当てはまる

20(50.0%)

22(57.9%)

どちらかといえば当てはまる

19(47.5%)

16(42.1%)

どちらかといえば当てはまらない

0(0%)

0(0%)

まったく当てはまらない

1(2.5%)

0(0%)

合計

40(100%)

38(100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

自由記述においては、とくに第1回では自分以外の教員も同じような悩みを抱えていることが分かったという感想や、第2回では登壇者の回答を聞いて自分ももう一度授業を見つめ直す
 きっかけとなった、大学全体で組織としてどう対応するか、あるいは支援部署に代表される大学に設けられた各種リソースをどう活用するが重要であることが分かったというコメントが見られた。
 また一方で今回は具体的な事例への言及が時間等の都合で難しかったこともあり、どのように対応すればよいか具体的な事例を紹介して欲しいといった意見や、合理的配慮が必要な学生も含めた形
 で進められるような授業の方法を知りたいといった希望が寄せられた。

合理的配慮を要する学生に対する支援を扱った回はこれまでのランチセミナーでも関心が高く、また年度最初のセミナーということもあり、今回も多数の教職員が参加した。上のコメントでもあるように、
 合理的配慮について考えることは自身の授業方法についても考えることにもつながるため、合理的配慮の方法のみならず、そのような学生も安心して参加できる授業方法の提案を含めた様々な形での情報を提供したい。

■ アンケート回答結果

 第1回 (n=40)

グラフあ.png

第2回 (n=38)

グラフ2.png

セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
写真1.png
写真2.png
ご不明な点などございましたら、下記アドレスもしくは、電話でお問合せください。

  • 教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp 
               電 話:088-656-7686 内線(82)7125

    徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
    http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/