徳島大学?高知大学?香川大学との共同開催
(SPOD開放プログラム)「授業について考えるランチセミナー」<学生の学習への動機づけを高める授業づくり>が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。

■開催日時
 第1回 2024年10月10日(木)12:05~12:50
 第2回 2024年10月17日(木)12:05~12:50

■参加者
 第1回 10月10日
  65名(Zoomによるオンライン)
 第2回 10月17日
  63名(Zoomによるオンライン)

■コーディネーター?講師?登壇者
  コーディネーター: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
 第1回 10月10日
  講 師: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)
 第2回 10月17日
  講 師: 吉田 博(徳島大学高等教育研究センター)

■内容
 第1回
 今週はまず学習に対する「動機づけ」についての理論的な説明を前半に行い、それを踏まえたうえで後半には学生の意見から具体的に「動機づけ」を高める授業実践の工夫について紹介がなされるという構成をとってセミナーが行われた。
 「動機づけ」に関する理論的な説明においては、鹿毛(2013)をもとに「動機づけの三水準」および「動機づけの四要因」について説明がなされたあと、動機づけの重要な点として、動機づけの要因は学習者のみにあるのではないこと、学習者の学習意欲は必ずしも持続するものではないこと、同じ場面でも学習者によって動機づけには個人差があることが挙げられた。それらを踏まえた上で、「動機づけの四要因」である認知?環境?欲求?環境の4つの面から動機づけのアプローチを行うことの重要性が示された。
 さらにこれらの理論的な側面に続けて、どのような方法をとることで学生は学習への動機づけを高めるか、実際の学生の声が紹介された。その例として、「教員が自分のことを認知してくれること」「評価観点を事前に提示してくれること」が挙げられた。これらについて、「動機づけの四要因」のそれぞれの面からなぜ動機づけにつながるのかが説明されたのち、授業で行える具体的な事例が紹介された。
参考文献:鹿毛雅治(2013)『学習意欲の理論:動機づけの教育心理学』金子書房.

 第2回
 今週はまず前回の振り返りに加え、寄せられた質問についての説明からセミナーがスタートした。質問の中には、動機づけの変化によって学習者が自己調整学習者となりうるかどうか、学習方略がどのように異なるかといった質問や、分野や学問領域による動機づけの違い、授業を改善する目的で行ったにもかかわらず失敗した事例について聞きたいといったものがあった。これらについて、各種文献等をもとに講師から解説が行われた。
 その後、実際に動機づけを高める意図での授業実践事例について、徳島大学高等教育研究センターが収集?公開している「学生の学習を促進する授業事例カード(https://gakunai.honbu.tokushima-u.ac.jp/highedu/card/index.html ※徳島大学内からのみアクセス可能)」から紹介がなされた。例えば動画を活用した解説を行う方法や、その分野における最新の澳门皇冠赌场_澳门皇冠体育を解説したりそれらに関連した小レポートを課したりすることで動機づけを高めるといった方法が示された。加えて、学生の質問を何らかの方法で集めその場で回答するといった方法も、学生に授業への参加を促すことで動機づけを高めるために有用であることが紹介された。その後は質疑応答がなされ、具体的に授業で動機づけを高めるための方法をどのように取り入れるか、実践する際の不安や懸念といった参加者からの質問について講師から回答?解説が行われた。

■成果と課題
 参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回はほぼ全て、第2回では全ての回答者から肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、他の設問においても回答者の大半から肯定的な回答が得られた。

表 アンケート設問「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」回答結果
   第1回(10月10日)   第2回(10月17日) 
とても当てはまる

17 (73.9%)

13 (59.1%)

どちらかといえば当てはまる 6 (26.1%) 9 (40.9%)
どちらかといえば当てはまらない     0 (0%) 0 (0%)
まったく当てはまらない 0 (0%) 0 (0%)
合 計 23 (100%) 22 (100%)

※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。

 自由記述においては、第1回?第2回ともに学生の動機づけや学習意欲に関する理論に加え、学生の声や具体的な授業への活用事例が多数示された点を評価する意見が多く寄せられた。また文献や資料についての紹介があった点についても参考になったという記述が見られた。
 一方、アクティブラーニングが学生の動機づけに失敗する事例や、学習方略を改善するような取り組みについても紹介して欲しいといった希望も見られた。これらは時間内で紹介することが難しかったものの、参加者が今回のテーマについて高い関心を持っていることを示すものと考えられる。
概して、今回のセミナーは参加者の関心も高く、かつ理論的な解説と具体例の紹介の両面を取り上げたことで多くの参加者のニーズを満たすものとなったと言える。今回の結果を受け、引き続き参加者のニーズに応えるセミナーを設計?実践したい。

■アンケート回答結果
 第1回 (n=23)

グラフ1.png
 第2回 (n=22)
グラフ2.png 

■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
写真1.png 
写真2.png 

ご不明な点などございましたら、下記アドレスもしくは、電話でお問合せください。
教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp 
           電 話:088-656-7686 内線(82)7125

徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/

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