B-02:高感度な質量分析イメージングによる食品成分の可視化

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徳島大学シーズ<B-02>:食品、食料、農林水産、ライフサイエンス sdgs-02 sdgs-13
 

高感度な質量分析イメージングによる食品成分の可視化
― 質量分析イメージングで食の安全や品質の向上に貢献する ―

榎元 廣文 教授 大学院社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 食料科学系 食料科学分野
キーワード 質量分析イメージング(Mass Spectrometry Imaging:MSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(Desorption Electrospray Ionization:DESI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、栄養機能性成分、生理活性分子、毒性成分  
研究室URL https://www.laboratory-of-food-science-teikyo-university.com/
研究の概要
<食品の品質理解には食品成分の詳細な分析が重要>
 私たちが普段口にしている食品には多種多様な成分が含まれており、これらの成分組成が食品の品質に大きく影響するため、食品成分の詳細な分析が重要である。しかし、高速液体クロマトグラフィー(LC/MS)等の従来の分析手法でわかるのは食品に含まれる成分の種類と量であり、「何が」「どこに」「どれくらい」あるかの情報は得られない。

<独自のMSI試料作製手法により、測定方法を最適化>
 質量分析イメージング(Mass Spectrometry Imaging:MSI)は、組織切片上の化合物を二次元的に質量分析し、光学顕微鏡で観察された形態画像と、質量分析イメージングによって得られた質量の位置情報を重ねることで、興味ある対象分子の分布?局在を可視化する(図1)。本測定方法では、プローブを必要とせず、一度の測定で未知の分子を含む複数の分子を高感度に測定することができる。当研究室では、主にマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)、並びに脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)を用いて様々な農産物中の栄養機能性、生理活性、並びに毒性成分を高精度かつ高感度に可視化できるMSIの手法を構築した。
 
想定される用途と製品化?事業化イメージ

<栄養機能性成分の効率的摂取、高品質品種の育種、並びに食の安全性確保>
 MSIの研究により、果物(いちご)の色素成分、有機酸、糖質の分布(図2)を明らかにした。また、インゲン豆、エダ豆の種皮に、植物ホルモン「オキシピリン」が蓄積していることを明らかにした。
 MSIは、①栄養機能性成分の分布解析によりリソースとなる農畜産物の探索のみならず、②栄養機能性成分のモデル動物を用いた体内動態に関する研究や③有望成分を有する植物の育成、および効率的な抽出?精製方法の構築と、それを食品へ加工する際の安全性確保や品質管理方法への展開、並びに④化粧品成分の皮膚組織への浸透性評価などが可能である。

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図1.質量分析イメージング(MSI)の特徴
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図2.いちご中の色素、有機酸、糖類の分布
論文 Enomoto H, Sato K, Miyamoto K, Ohtsuka A, Yamane H. Distribution Analysis of Anthocyanins, Sugars, and Organic Acids in Strawberry Fruits Using Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization-Imaging Mass Spectrometry. J Agric Food Chem. 2018 May 16;66(19):4958-4965. Doi: 10.1021/acs.jafc.8b00853. Epub 2018 May 2. PMID: 29696977.
Enomoto H, Miyamoto K. Unique localization of jasmonic acid-related compounds in developing Phaseolus vulgaris L. (common bean) seeds revealed through desorption electrospray ionization-mass spectrometry imaging. Phytochemistry. 2021 Aug;188:112812. Doi: 10.1016/j.phytochem.2021.112812. Epub 2021 May 18. PMID: 34015625.

 

お問合せ先

徳島大学 研究支援?産官学連携センター
TEL:088-656-7592
E-mail:rac-info@tokushima-u.ac.jp

 

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